category在外研修

仏国潜入

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 5月7日(月)夕刻、パリに到着しました。今宵より二晩はホテルLittle Palaceに投宿。寄宿先のパリ国際大学都市(CIUP)への入居準備をします。入居後、滞在手続きや受入れ先のフランス国立東洋言語文化研究所(INALCO)へ挨拶等、今週は事務的な作業が続きます。
 落ち着きましたらまずはフランス国内の図書館を廻りたいと考えていますが、国際日本文化研究センター篇『海外日本研究機関一覧』(2005年版)によればフランス国内の日本研究機関は次のようなものがあります。
  国立図書館東洋写本室
  フランス国立東洋言語文化研究所(INALCO)
  ボルドー第三モンテーニュ大学
  国際研究センターアジア空間
  コレージュ・ド・フランス極東研究所日本学高等研究所
  東洋研究院
  アルザス・ヨーロッパ日本学研究所
  フランス国立極東学院 極東仏教研究班
  フランス国立極東学院 日本人類社会史班
  パリ日本文化会館 国際交流基金
  リール第三ド・ゴール大学 ローマ・スラブ、東洋学部日本学科
  リヨン第三大学(ジャン・ムーラン大学)語学部日本語科
  フランス国立科学研究センター日本文化研究班
  パリ・ソルボンヌ東洋研究所
  社会科学高等研究院(EHESS)東方言語研究所・日本研究センター
  ストラスブール第二大学(人文科学大学)外国語・文学・文化学部 日本学科
  トゥールーズ第二ミライユ大学言語学部日本学科
  ドニ・ディドロパリ第七大学 東洋言語文化学部日本研究科

 本丸は当然国立図書館ですが、国文研の調査報告等を見ますとINALCOをはじめ他にもいくつか和本を所蔵されているところがあるようです。もちろんこのリストの中には現代日本語を研究しているだけの機関や和本を所蔵していないのところもあるでしょうから、実際に訪れるのは数が減りそうです。
 今回の研修の主目的は知識の増強にありますので、日頃あまり見ない類、特に絵本・草双紙を見ていきたいと思っております。この記事をご覧になった方で情報をお持ちの方はご教授賜りたく存じます。
category研究その他

膝栗毛上梓

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 四月になり漸く桜が咲き始めましたが、私は論文の締め切りに追われてのんびり花見もできません。
 さて、くずし字シリーズ第3弾『古文書入門 くずし字で「東海道中膝栗毛」を楽しむ』(中野三敏編、角川学芸出版、平成24年3月25日)が上梓されました。初回3000部とのこと、中級編ですが『百人一首』にくらべればかなり難易度は上がっています。文字数で言えば本書は「ト書き」部分がありますので上級編の『奥の細道』よりも格段に多いです。さらに虫食いによって本文の一部がなくなっていますので、ある意味クイズ問題にもなっています。中身は弥次喜多道中ですから二人のドタバタを楽しめれば楽しめます。
 本シリーズはなかなか売れ行きがいいようで(といっても当初の販売予測が低すぎます)、なんと第4弾が企画されているということです。書名は現時点では秘中の秘です。
 この仕事に関わるようになって、シリーズの候補を考えることがありますが、これがなかなか条件が厳しいんです。
 中野先生の希望としては1冊で完結する読み物であることです。これで源氏なんかは却下ですね。八犬伝なんかはおもしろいけど論外ですね(ルビも多いですから)。雨月なんかもちょっと長い。今回のように膝栗毛の5編上だけというような形もあると思いますので、雨月はいけますかね。源氏もダイジェストという手もあります。それでも大体50丁程度に収まるようにしなければなりません。
 またある程度知名度が必要ですから、国学者の考証随筆をやりましょうというわけにはいきません。地味すぎます。シリーズ化するようですから皆さんのご意見もいただければと思います。御伽草子とか黄表紙なんかでうまくできないですかね。
 ともあれ第4弾もお手伝いすることになりそうですが、フランスにいながらにしてどうやるのだろうかとか、いろいろと不安要素はあります。
category研究その他

渡仏修行

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 先日、ホノルル美術館で調査を行ったことはご報告しました。海外に所蔵される日本の古典籍は意外に多く、現在は国文学研究資料館(以下国文研)が主導してヨーロッパ・アメリカ・アジアに所蔵される古典籍の所蔵調査・目録化を進めています。特にアジアの2大学(ソウル大学・台湾大学)は帝国大学を前身としますので、日本古典籍の蔵書レベルは国内の旧帝国大学並の質量を持っています。私も大学院生の頃から在外日本古典籍の調査に参加してきました。参加したと言っても書誌の取り方も覚え立てでしたので、鞄持ち兼雑用係で連れて行ってもらいました。その延長線に前回のホノルル美術館があります。
 さて私事ですが、今年2012年5月より来年2013年1月末までフランスのフランス国立東洋言語文化研究所(以下INALCO)にまいります。フランスに滞在して欧州各地に所蔵される日本古典籍を見て回るという研修です。鹿児島大学の支援を受け、また国語科の諸先生方・代行していただく中山右尚先生にご理解・ご協力いただき(ご無理を言って)今回の研修が決まりました。
 ヨーロッパの日本古典籍といえば、イギリスの大英図書館・オックスフォード・ケンブリッジ、フランスではINALCO・ギメ美術館・国立図書館、ドイツではミュンヘン・ベルリンなど枚挙に暇がありません。9ヶ月でどれくらい見て回れるのかわかりませんが、これまでの海外調査の経験を生かしてうろうろしてきたいと思っています。その模様は本ブログでもご報告できると思います(インターネットの環境が整えばの話です)。
 私のお知り合いの方で今年ヨーロッパにいらっしゃるご予定がおありになる方、さらに現地で私とお会いしたいという奇特な方は是非メイル等でご連絡いただければと存じます。妻ともども歓迎申し上げます。
category科研費

新春眼福

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 1月22日より29日までアメリカ合衆国ハワイ州ホノルル市に出張しました。1週間休講につき学生たちにはレポートを課しておきながら、己はハワイで調査というなんとも優越感のある調査旅行でした。
 この記事は興奮冷めやらぬ帰国便の機内で書いています。
 今回の調査は先頃京都よりホノルル美術館へ移されたリチャード・レインコレクションの調査でした。既に調査は数次行われており、その概要はほの聞いておりましたが、私は今回初めて実見させていただきました。リチャード・レイン氏についてはここで改めていうまでもない浮世絵研究家であり古書蒐集家です。レイン氏没後、在所であった京都市へ寄贈されるはずであったこのコレクションが数奇な運命をたどって、ここハワイ・ホノルル美術館へ収められることになりました。
 コレクションの詳細についてはまだ調査中のこともありあまり言及できませんが、菱川師宣・西川祐信をはじめ、絵本・仮名草子・浮世草子・読本・中世物語など、絵の入っているやわらかい作品ばかり多岐にわたります。なかでも特筆すべきは仮名草子・浮世草子のコレクションです。ほとんどすべて端本(揃っていない)ばかりでそれぞれ数百点にのぼり、異板を数多くそろえる希有な文庫です。『日本永代蔵』の異版をずらりと机に並べて対校できるゼイタクは日本国内ではなかなか得られないと思います。日頃、近世前期の文芸をほとんど見ない私でさえ、その質量には驚きました。まさに眼福。ワイキキの心地よい涼風とともに目の保養もさせていただきました。前期の散文を専攻されている方には武者震いを覚えるようなコレクションだと思います。
 このコレクションを京都のある美術館関係者が「ゴミですね」と評したことから、京都市はこのコレクションを引き取らなかったとのこと。近世文学関係者がその場にいれば、レインコレクションは京都を動くことはなかったでしょう。その美術館関係者は自らの不明・不見識を学界に詫びるべきです。
 ともあれ捨てる神あれば拾う神がいるもので、カメハメハ大王の鎮座ましますこのハワイに収まり、我々が調査することになりました。「ハワイで調査」というなんとも疑わしくもまぎらわしい調査は今後数回は続くとのこと、楽しませてもらいます。
category雑感

新春のお慶びを申し上げます。

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2012年_賀状
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